松本市大手３丁目　昨年１２月に取り壊された旧鶴林堂ビル等の跡地で、松本城大手門枡形跡地　第１次発掘調査　
市民見学会前に地元を中心とした現地見学会が順次おこなわれています。

１０月３０日は、ナワテ通りの番でした。
見学会に参加しました。


24.10.30鶴林堂跡地


松本市文化財課職員さんの丁寧な説明をお聞きしながら
江戸時代の大手門枡形をイメージしながら、発掘現場にお邪魔しました。


松本市文化財課職員さんの説明を受ける

◆大手門枡形の位置
　城下町（城外）と三の丸以内（城内）は総掘りと土塁で区別され、虎口（出入り口）は全部で５か所ありました。そのうち最も「格」が高く正門に当たる大手門で「枡形」という形態で造られています。その他の４つは「馬出し」です。
　大手門をくぐると、有力家臣たちの屋敷が並ぶ大名小路を抜け、太鼓門を通り二の丸以内の「御本城」へと入っていきます。　　　　　　（資料　松本市文化財課）


松本城見取り図（明治4年頃の様子）
上記の図は、松本市立博物館蔵『歴史のなかの松本城』より転載されたものです。
明治30年代に後藤新門が描いた原図　明治4年頃を想像して描いたものです。

この跡地は、絵図の中ほど左の総掘りと枡形の1部になります。
こちらの絵図が、示すように枡形の空間が石垣と壁で覆われ、その先に大手門があり、そこから城内へ入るようになっていました。

明治以降順次総掘りは埋め立てられて、現存する総掘りは、片端のみです。


発見された石垣

現地表面から約１２０～１５０ｃｍの深さで石垣が発見されました。確認出来た石垣は長さ１９ｍで、南北にまっすぎ通ぢていることがわかります。その後明治１１年以降に徐々に埋められていったという記録が残っています。
石垣の前面には、割石がまとまって出土しており、明治時代に入ってから石垣が壊された痕跡と考えられます。石垣の背面には排水をよくするための裏込め石が残っています。
作業中でも、水がどんどん出てきているのを見られました。

出土した瓦


枡形は、石垣の上に壁が張り巡らされていて、その上には瓦が施されていました。
当時壊した際に、瓦も総掘りに投げ込まれていたようで、歴代藩主の家紋入りの瓦などが、出土されていました。現在も発掘作業を続いていました。
藩主の家紋を施した軒丸瓦は、水野家戸田家のもので、それ以前の藩主の家紋瓦は出土していません。両家は、比較的長い間松本城主であったため建物の瓦を葺きかえる機会が多かったかもしれません。

瓦の発掘作業中


最後に担当職員の方に感想を伺いしました。
「石垣・土塁がこのように地面にそのままの形で残っているのは、大変貴重で価値のあることです」

一般市民への公開は、１１月３日（土）　１０時～１５時です。
予約は要りませんが、足元など危険になりますので、ご注意いただき見学ください。
尚当日は、松本市民祭のため朝１０時～１６時までは、中心市街地の１部が歩行者天国になり現地も含まれます。


四柱神社も紅葉が綺麗です。